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越中国一の宮 雄山神社への行き方 – 巡拝は電車&路線バスで! 諸国一之宮アクセスガイド

雄山神社の「雄山(おやま)」は、日本三霊山として富士山・白山と並び称される「立山」の峰の1つで、その標高は3,003m。頂上にある立山頂上峰本社は、日本一高いところにある一の宮ということになります。

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一家に一冊。全国すべての一の宮について、ご祭神、由緒から地図・アクセスに至るまで、参拝にあたり押さえておくべきことはしっかり網羅されていて、諸国一の宮巡りを志すなら必携の一冊です。コンパクトサイズで持ち歩くのも邪魔になりません。お出かけ前にまずはお手元にご用意くださいませ。

雄山神社は、富山駅から近い順に、

の3つの社殿で構成されています。
それぞれの位置づけは雄山神社のWebサイトにてご確認ください。

目次

  1. 岩峅前立社壇への行き方
  2. 芦峅中宮祈願殿への行き方
  3. 立山頂上峰本社への行き方
  4. 三社めぐりの参考プラン(富山発着)

岩峅前立社壇への行き方

最寄駅は富山地方鉄道の「岩峅寺(いわくらじ)」駅です。

JR富山駅の隣にある「電鉄富山駅」から岩峅寺駅までは「寺田経由(立山線)」の電車と「南富山経由(不二越・上滝線)」の電車がありますが、所要時間は大差ありませんので、どちらに乗っても大丈夫。普通電車で40分、特急(本数少ない)なら30分ほどです。
→電車の時刻は、富山地方鉄道のWebサイトでご確認ください。

駅から前立社壇へは歩いて10分ほどです。
要所要所に案内板がありますので、迷わずに行けることと思います。

芦峅中宮祈願殿への行き方

最寄駅は富山地方鉄道の「千垣(ちがき)」駅です。
前立社壇のある岩峅寺駅から、立山駅行きの電車で10分ほどです。
なお、千垣駅には特急は停まりませんのでご注意ください。
→電車の時刻は、富山地方鉄道のWebサイトでご確認ください。

千垣駅から芦峅中宮祈願殿へは、立山町営バス「芦峅寺線」で5分ですが、このバスは日曜日は運休です(土曜日は運行されています)。歩けば30分ほどですが、歩道のない、大型バスやトラックも行き交う道を歩くことになりますので、できれば日曜以外に行かれることをお勧めします。

バスは1~3時間に1本です。あらかじめ立山町営バスの時刻表を確認してからお出かけください。

立山頂上峰本社への行き方

まず大前提として、標高3,003mの高山への登山であるということをご認識ください
雪山の登山経験のない方に、積雪期の登山は無理です

立山頂上峰本社に神職の方が常駐するのは、例年、7月1日~9月30日です。
この時期でも残雪が多い年もあり、また台風などの後には道が荒れることもあります。
立山山頂ライブカメラ立山自然保護センターのブログなども参考にしていただき、安全を確かめてからお出かけください。

私は、立山頂上峰本社には2度登拝したことがございます。
1回目(2015年9月)は、登山口の室堂から日帰りで往復しました。
2回目(2025年9月)は、途中の山小屋(一の越山荘)に泊まりました。
それぞれの良さがございますので、ご自身や同行者の体力、登山経験などを踏まえてプランを立ててみてください。

必要な準備
室堂(登山口)までの行き方

登山口の室堂へのアクセスとなる立山・黒部アルペンルートは、インバウンドにも大人気の観光ルートであり、大変混雑します。平日であっても長蛇の列となり、希望の便に乗れず長時間待ちになることがありますので、日時指定の「Webきっぷ」などで事前にご予約のうえでお出かけください。

単純に所要時間を足し算すると、富山から1時間57分(特急電車利用の場合)、信濃大町から1時間33分と、一見、それほど遠くないように思えてしまいますが、シーズン中は平日でも混雑し、乗り継ぎの都度、並んで待たされます(Webきっぷ で予約できるのは「立山駅→美女平駅」のケーブルカーと、「扇沢→黒部ダム」のトンネルバスのみです)。

このため、富山・長野どちら側から入る場合も3時間程度(ピーク時はそれ以上)かかる可能性があることを想定して計画を立ててください

室堂から立山頂上峰本社へ

室堂からの登拝に際しては、必ず登山届を提出してください。
室堂ターミナル内に登山届の提出ボックスがありますし、Webでの提出も可能です。

麓のミドリガ池から仰ぎ見る立山と、超ざっくり登拝ルート

下記の所要時間は 山と渓谷オンライン に記載のコースタイムです。
実際にかかる時間は、ご自身および同行される方の脚力・体力・経験などにより異なります。
このコースタイムどおり歩けるか不安な方は、山と渓谷オンライン にコースタイムの記載されている地元の山などにお出かけいただき、予行演習として歩いて確かめてみてください。

地理院地図(電子国土Web)より引用、一部加工(登拝ルートにマーク追記)

室堂~雄山周辺の登山道のなかには、山と渓谷オンライン などの地図では通れるように記載されていても、実際に現地に行くと「登山道崩落」「火山ガス」「クマ出没」など様々な理由で通行が規制されているところもあります。
上記で示したルートはよく整備されており、多くのハイカーたちの往来があるので比較的安心ですが、安全のため、現地の案内・指示は必ず守るようにしてください。

クマについては、私も2回目(2025年9月)の立山登拝の際、一ノ瀬から数百メートル南東の斜面を歩いているのを見かけました(上の写真)。またその翌日、雷鳥平(室堂の北)から一ノ瀬に登ってきた登山者から「途中でツキノワグマと鉢合わせした」という話も聞きました。
山は本来、クマなど野生生物の領分であり、登山者はそこにお邪魔させていただいている存在です。そのことを努々お忘れなきよう。
こちらもお読みください → 立山室堂のクマたち(立山自然保護センター)

さて、ここからは麓から山頂まで、道中のご案内です。

室堂でバスを降りたら、階段を上って「屋上展望台」に出ます。
少々わかりづらいのですが、屋上が登山口につながる出口なのです。
出口正面では、立山の雄大な眺めをバックに「立山玉殿の湧水」をいただけます。
こちらで水を補給させていただいてから、まずは一ノ越を目指しましょう。

室堂から一ノ越までは、延々と続く石畳の道です。
途中には残雪も見られます。この写真は2025年9月に登ったときのもので、この年は猛暑だったこともあり、登山道にかからないところまで雪が後退していましたが、例年ここは融けずに残った雪で登山道が覆われるところです。特に7月は確実に雪が残っていますので、滑らないよう注意して通過しましょう。

最初のうちはゆるゆると上っていく石畳の道ですが、徐々に傾斜がきつくなってきます。
一ノ越までの道程の8割方歩いたところに祓堂があり、小さな広場にベンチが置かれています。
この先さらに急坂になりますので、このあたりで小休止して息を調えてまいりましょう。

祓堂からもうひと頑張り。
最後はジグザグの急坂を上りきると、一の越山荘が立つ一ノ越に到着です。

雄山は室堂から4~5時間程度で往復できる山なので、富山発日帰りや、室堂で泊まられる方がほとんどです。そうした方は、一ノ越では軽く小休止するのみで雄山へと向かいますが、私は二度目の登拝となった2025年9月は、あえてここに泊まらせていただきました。
私(山小屋泊は生涯5回目の初級者)が考える、一の越山荘に泊まるメリットは

といったところでしょうか。

もちろん、山小屋ですのでお風呂はありませんし、混雑する時期は相部屋になることもありますし、布団の上げ下ろしは自分で行う必要がありますし、消灯時間は早いですし、ホテルのようなピカピカの設備やアメニティはありませんし、基本的にはセルフサービス&譲り合いの精神でのお泊まりとお考えいただければと思います。

でもここは館内の掃除も行き届き、トイレもきれいで(水洗です)、食堂のストーブがなんともいえない安心感を与えてくれる、とても居心地の良いお宿でした。不便な山の上で、登山者のために日々努力いただいているスタッフの皆さまに感謝です。

一の越山荘に泊まられる方は、必ず事前にご予約のうえでお出かけください。
一の越山荘ご案内

さて、いよいよ雄山山頂へ、一気の上りが始まります。
室堂から一ノ越までは「ちょっときつい遊歩道」みたいなものでしたが、ここからは岩場が続く、本格的な登山です。

一ノ越を境に、突如として様相が変わるので、慣れない方は「ここを登るのか…」とドキドキするかもしれません。そんなときは、ちょっと時間を割いて靴紐をしっかり結びなおしてみてはいかがでしょうか。不思議と気持ちが落ち着きますよ。おすすめです。

岩場の斜面には「コンクリや石畳などで均された、歩きやすい道」は当然ありませんが、そのかわりに一ノ越から雄山頂上までの全区間に「登りは赤」「下りは黄色」のマーキングが付されています。この色をたどっていけば安全に頂上にたどり着ける、という仕掛けです。

こんな感じです。
うっかりマークを外れると、浮き石を踏んだり、斜面がザラザラと崩れたり、見えない先がガケだったりして危険です。
とにかく赤のマークを外れないこと。集中してまいりましょう。

一ノ越から少し上って振り返ると、室堂から歩いてきた石畳の道が眼下に一望できます。
疲れを一瞬忘れさせてくれる絶景です。よくこの長い道程を歩いてきましたね。

やがて、頭上に2階建ての大きな建物が見えてきます。
あそこが峰本社の社務所です。
あと少し。足元に集中してまいりましょう。

最後にぐっとひと登りしたら登頂です。
おめでとうございます~

眼下には御前沢氷河、その先には後立山連峰の山なみが続く絶景が望めます。
(2015年の写真です。2025年登拝では雲の中に入ってしまい一面真っ白でした…)

峰本社の社殿は、社務所のある場所から、もうほんのちょっとだけ上です。
社務所で登拝料(ご祈祷料込み)を納めてから、奥の鳥居をくぐって進みます。
これが本当に最後の最後。一歩ずつ踏みしめて登りましょう。
晴れていれば上の社殿で、悪天候の際は社務所に戻ってから、ご祈祷を受けられます。

さて、帰り道。下山路の目印は「黄色の矢印」です。
滑りやすいところも多いですので、無理せずゆっくり降りましょう。

一ノ越まで下りればまずはひと安心。
あとは室堂まで、登りに頑張って歩きとおした石畳の道をひたすら下っていくのみです。
これがまた地味に膝に響いてしんどいのですが、一歩一歩進んでまいりましょう。

お帰りの際のご注意

雄山から下山して、その日のうちに富山 or 信濃大町方面に向かう場合、室堂発の最終便は、2025年の夏季シーズンは

でした(年によって変わることがあるので、必ずその年の立山黒部アルペンルート時刻表でご確認ください)。
心情としては、ついついこの最終便に合わせて、雄山から室堂に、この便に乗れるぎりぎりの時間に帰ってくるプランを立ててしまいたくなるところかと思います。

しかし、悪天候、登山道の渋滞・通行規制、ケガ、疲労、高山病、道迷い、靴底の破損、落とし物捜索、他者の救護、クマ遭遇等々、登山中に何らかのトラブルがあると、あっという間に下山が大幅に遅れてしまい、最終便を逃して室堂で途方に暮れるようなことになりかねません。

ついては、計画を立てる際には、遅くとも15時には室堂に戻る行程にするなど、時間的に十分な余裕を確保するようにご注意ください。

また、室堂周辺にはホテルや山小屋など、いくつかの宿泊施設があります。それらに泊まって翌朝帰途につくプランにすれば、最終便を気にすることなく、心にゆとりをもって行動できますので、検討されてみてはいかがでしょうか。
その場合も、お宿には早めに入るようにしましょう。到着が遅くなると、どこかで遭難したのではと宿の方を心配させることになってしまいますし、街灯など当然ないので実際遭難しかねません。

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みくりが池温泉
室堂のバスターミナルから徒歩12分のところにある山小屋です。二段ベッドのお部屋中心の相部屋の宿ですが、個室の予約もできます。日本でいちばん標高が高いところにある温泉宿としても有名です。私は2025年の登拝の際、泊まりではなく日帰り入浴で、下山後に利用させていただきました。疲れた心身に沁みました~
室堂周辺も見どころいっぱいです。雄山往復だけではもったいないですから、日程に余裕があるようでしたら泊まっていかれてはいかがでしょうか。

三社めぐりの参考プラン(富山発着)

事故防止や、トラブルが起きてしまったときの対応のため、登山は「早い時間に登り始めて、早い時間に下りてくる」のが基本です。
このため、室堂で1泊して、朝から雄山(立山頂上峰本社)に登拝するプランがおすすめです。

参考プラン(2025年夏ダイヤ、土曜発1泊2日)
ダイヤは年によって変わることがありますので、必ず事前に富山地方鉄道立山黒部アルペンルート立山町営バスの時刻表などで確認してからお出かけください。


ご案内は以上です。長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、お気をつけてお出かけくださいませ。

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