白幡沼は、開発の進んだ浦和の住宅街にぽつんと取り残された、昔このあたりが農村だった頃を偲ばせるような静かな水辺です。
150m×100mぐらいの小さな沼です。
西側の遊歩道には、ひなたぼっこにちょうど良さそうなベンチがいくつかと、水際に下りられる小さなデッキが設けられていて、いつ訪れても、のんびり釣りを楽しんでいる方がいらっしゃいます。
鳥たちを撮ることができるのは、この西側の遊歩道沿いにほぼ限られます。南側にも道はあるのですが、木立と藪が目隠しになっていて、見通しが効かないのが残念です。
北側、東側には道はないので(北側に建つ県立浦和商業高校の敷地のようで入れません)、沼を歩いてぐるっと一周することはできません。
沼の北側半分ほどは、葦でびっしり埋め尽くされています。きっと多くの鳥たちの隠れ家になっているのでしょうが(声は聞こえてきます)、彼らの姿をファインダーにおさめるのは至難の業です。
なので専ら、南側の開けたところで鳥たちの写真を撮ることになります。水深はかなり浅いようで、鷺たちが水中に立って獲物を探す様子が見られます。
それでは以下、例によって随時更新、日付順のうろうろ日記です。
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2022年4月24日
白幡沼に来たのは、今日が初めてではありません。
これまでにも何度か来ているのですが、手元の整理が悪く、以前来たときの写真が見当たらないのが残念。
岸辺の茂みに、ホシゴイさん(若ゴイサギさん)が身を潜めておりました。
片足しか見えないので、ちょっと心配してしまいましたが、帰宅してから画像検索してみると片足立ちのゴイサギさんがいっぱい。「立つのに使わない方の足を隠すのはゴイサギさんの特技」ということでしょうか。それにしても見事なバランスですね。
昨年までに比べて、今年はゴイサギさんを見かけることがとても少ない気がするのですが、私だけでしょうか。アオサギさんも若干少なめな気がします。
そんなことを考えておりましたら…。
突然、渾身の叫び声。
何があったんでしょうね。
近くにライバルや、危害を与えそうな生きものは見当たりませんが。
あ、私か(汗)
警戒されるほど近づいたつもりはないのですが(望遠で撮っています)。
沼の北側にある葦原では、カルガモさんたちがお食事中でした。
そろそろ子育ての時期でしょうか。ほどよく密生した葦原には、自分たちは自在に動き回れる一方で、カラスのような空からの天敵は入ってこられないでしょうから、雛を守るにはうってつけの環境なのでしょうね。
その葦原の、さらに密生したところに割り入ってきたダイサギさん。
おそらく身を隠している魚を狙ってのことでしょうが、この狭いところに、大きな体でよく入っていきますよね。
挟まって進退窮まる、なんてことにならなければ良いのですが。野生の鷺がそんな迂闊なことはしないでしょうから余計な心配ですかね。
沼の中ほどに、いくつか鳥が休むのにちょうど良さそうな枝が、水面に斜めに突き立っています。
自然に生えた木には見えないので、野鳥を呼ぶために人の手で設えたものなのでしょう。
その枝のひとつにカワセミさんが来ていました。遠くて、私のコンデジでは少々ふやけた画像になってしまったのが残念です。
2023年11月19日
今朝は夜明けから、志木の秋ヶ瀬田んぼで鳥たちを探していたのですが、いまひとつ撮れ高?がよろしくないので、早々に見切りをつけ、荒川を渡って久しぶりに白幡沼にやってまいりました。
まずはバンさんを発見。
埼玉県レッドデータブック動物編2018ではNT2(準絶滅危惧2型)指定なんですね。開けた水面と葦原とが並んでいる白幡沼は貴重な生息環境なのでしょう。
視線はこちらに向いているようですね。不審者発見、ってところでしょうか。のんびりしているところお邪魔だったかな。警戒されないうちに次にまいりましょう。
コサギさんも同じく埼玉県ではNT2指定。水辺があればたいてい見かける、珍しくない鳥という印象ですが、前出の埼玉県レッドデータブック動物編2018によると「個体数が著しく減少している」のだそうです。
オオクチバス(ブラックバスの一種)の増加による餌の減少も原因の1つとして指摘されているとのこと(P.73)。ブラックバス放流による生態系の破壊は水の中の話 - 私の浅い理解はその程度でしたが、陸上生物の存亡にもしっかりつながってくるのですね。
青空の下、沼の真ん中の「お休み処」にハクセキレイさん。
人間は近づくことのできない、沼いちばんの絶景ポイントなんでしょう。
気持ち良さそうですね。うらやましい。
それにしても、背景のぼやけ具合が乱視にはきつい…(汗)
南側の木立で、ジョビ子さんがごきげんに歌っておりました。
今日は快晴。青空が気持ち良いのは、きっと人も鳥も一緒なのでしょうね。
白幡沼への行き方
白幡沼の最寄駅は、JR埼京線と武蔵野線の武蔵浦和駅です。
新宿からは埼京線の快速で25分ほどです。
武蔵浦和駅の「南口」を出て、正面の道を左へ進んでください。
武蔵野線のガードをくぐり、信号のある交差点を渡ると、そのすぐ先で遊歩道(白幡緑道)が交差しています。
ここを左折して、遊歩道を進めば白幡沼に到着です。
駅からはゆっくり歩いて10分ほどです。