今日は都県境、自転車で1分も走れば和光市という、おそらく都内で一番埼玉県に近いと思われる銭湯の「寿湯」へ行ってきました。
1010の東京銭湯マップには成増から5分となっていますが、そんなに近くないでしょう。成増から自転車で坂を下って下って下って、これで道が間違いだったら引き返すのが大変だぞ、というぐらいの場所に、ようやく「寿湯」はありました。
玄関を入るとすぐに右と左に男女それぞれの扉があり、入ると番台にお姉さんがどっかと座っています。前回、前々回レポートのいわゆる「ニュー銭湯」とは違った「重み」のようなものを感じますね。
店構えはこぢんまりとして飾り気もありませんが、中に入ると意外に天井が高く開放的な感じがします。新しいもの、よけいなものが何もない、70年代のような脱衣所で、ロッカーの上のでっかいテレビだけが「堀江容疑者逮捕が小泉政権に与える影響は~」なんて、テレビの方が時代を間違っているようです。
さて浴場に入ると、これも昔ながらの、湯と水の蛇口が別々に並んでいるタイプの洗い場がきれいに6×6=36人分並んでいます。浴槽は大小2つ、これだけ。いやぁ、ここまでシンプルを貫かれると、何だか潔さを感じます。
浴槽の色か湯の色か、大きいほうの浴槽のやや赤茶色した湯に足を浸けてみると、「うっ...」爪先に電気が走ったような熱さが伝わってきます。そうだよ、これ、これ。お風呂屋さんといったらこの熱い湯だよ。30年以上も昔、子供のころ苦手だった「お風呂屋さんの熱い湯」の記憶がよみがえってきました。この熱い湯に肩までつかれるほどオヤジになったんだな、などと妙な感慨にふけっているうちに、あっという間に体の芯まで熱さが伝わっていきます。
小さいほうの浴槽は、さらにアチ、アチ、アチチ。
足先だけで敗れ去りました。
風呂から上がり、脱衣所をもう少し観察すると、「ちゃんこ若乃花」なんて広告が。よくよく見ると、描かれているのはいわゆるオニイチャンではなくて懐かしの二代目若乃花。ほかの広告も結構な時代物のようです。お約束の体重計も、前回のニュー銭湯和倉よりさらに時代物。やっぱり私の体重は20貫...。
こちらの銭湯、閉店は23時。今日も閉店の客になってしまいました。さてさて、湯冷めしないように急いで帰るとしましょうかね。
寿湯
2006年1月23日 22:40入店