• お散歩パンダ.com – お散歩パンダのおでかけレポート

    今日、朝4時。富士山頂。
    これから、ご来光を見るはずの時間。
    山口屋さん(山小屋)のスタッフから出た言葉は…。

    今から下山してください。台風が来ています!

    100人以上はいたと思われる泊まり客が、闇の中。一斉に凍りついた気配。

    確かに、外は雨風の音。えーっ、台風?
    天気予報は「晴一時雨」だったはずなのに…。

    朝5時頃、薄明かりの中、須走五合目に向かう6人の皆さんにくっついて、山小屋を出ました。
    外は嵐。初めての富士山頂。
    子供を連れて、とても単独で5合目まで降りる自信はありません。
    必死の想いで、後ろからついていきます。

    雷の危険があるので、下山道を歩くときは谷の側に近づかないで。
    できるだけ山の側を歩くように。

    そんなことを言われたって…。
    歩くだけでも大変な雨と風。顔が痛くなるほどの雨というのは初めての体験でした。

    9合目を過ぎたあたりで、砂に足をとられ、風にあおられて、頭から大きく一回転。
    一瞬、息が止まりました。

    誰も私が転んだことなど気がつかなかったのでしょう。
    起き上がってみれば私と子供の二人だけ。
    あっという間に、急ぎ足の皆さんから置いていかれてしまったようです。
    とにかく遅れを取り戻さなければ。
    それだけを念じ続けて、先に行ってしまった集団を追いかけます。
    痛い… なんて言っていられません。

    どうにか前を行く皆さんに追いつきました。
    体を打ち続ける雨と風を耐え続ける私たち。
    楽しみにしていた7合目からの砂走りも、とにかく修行のように先へ先へと進むのみ。
    砂払5合の小屋が見えてきたときの嬉しかったこと。

    あぁ、生きて帰ってこられた。

    大袈裟でなく、本当にそんな思いでした。

    山って本っ当に恐ろしいですね。
    以前、利尻岳で遭難の一歩手前を経験して、山の恐ろしさは多少は知っているつもりだったのですが、昨日の穏やかな富士山と、一夜明けた恐ろしい富士山。改めてその思いを強くしました。

    一緒に山を下りてくれた同じグループの皆さん、山口屋のスタッフの皆さん。本当にありがとうございました。とても私と子供の2人だけでは降りられませんでした。とても心強かったです。

    お鉢めぐり、最高点到達は、次の回の宿題になりました。大変な思いをした富士山ですが、来年にでもまた、挑戦しようと思います。


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