東京都心から西へ20kmほど、調布市と三鷹市の境に「調布飛行場」という空港があるのをご存知でしょうか。
東京から伊豆諸島の大島・新島・神津島・三宅島へ向かう飛行機は、羽田でも、成田でもなく、この調布から出ています。国際線、国内線とありますが、ここはいわば「都内線ターミナル」ですね。
小学生の頃、2年間だけ三鷹に住んでいた私にとって、ここはなんとも気になる存在でした。
どこまでも住宅街がつづくこの街に、飛行場があるって不思議。どんなところなんだろう…。
同じ市内といっても、私の家は北端のJR中央線の線路近く、調布飛行場は南西端と離れていて、子供が一人で訪ねるような場所でもなく、また大人になってからも飛行機で伊豆諸島に向かう機会もなく、いつしか私の中ではすっかり記憶の奥底で眠る存在と化しておりました。
どうしてそんな話を持ち出したのかと言いますと、この「うろうろ日記」を始めて、次はどこに行ってみようかと考えておりましたところ、永井真人(♪鳥くん)さんの「東京近郊 野鳥撮影地ガイド」に「武蔵野の森公園」が紹介されていたのを見ましてね。よし次はここだ!と練馬の自宅から自転車を飛ばして行ってみたんですね。そうしたらびっくり、公園の池からフェンス越しに見える広大な空間は… あの不思議に思っていた調布飛行場ではないですか!
なんだかね、出し忘れていた宿題を何十年ぶりかにようやく出せたような、ってこの気持ちわかりますかね。嬉しいというかスッキリというか。かつて思いを巡らせたこの街の飛行場を、わくわくしてぐるり一周してしまいました。
フェンス際に続く直線道路。さすが広いですね~(滑走路の長さは日本の空港のなかで一番短いらしいですが)
今日はもうこれで満足…ってそれは違いますね。もともと鳥を撮りに来たのですから。
本題に戻りましょう。はい、武蔵野の森公園。米軍施設の跡地に整備された都立公園で、滑走路北側の「北地区」と南側の「南地区」に分かれています。両地区は1kmも離れているので、別の公園と考えていただいた方がよろしいでしょうね。
鳥見におすすめなのは北地区の中ほどにある「修景池」。芝生に囲まれた明るい池に、葦の茂みが復元されて鳥たちの隠れ家になっています。夏には子育て中のカルガモやバンの家族にも出逢えたりして癒されますよ~。
それでは例によって随時更新、日付順のうろうろ日記です。よろしければ感想などいただけると嬉しいです(^o^)/
● 野鳥初心者の東京・埼玉うろうろ日記 目次に戻る
● いちばん新しい訪問レポートへジャンプ
● 武蔵野の森公園(北地区)への行き方
東京オリンピックの開幕を5日後に控えたこの日。
自転車ロードレースの出発地となる武蔵野の森公園に、はじめてやってきました。
サイクリストたちが次々にやってきては、ゲート前で記念写真を撮っていきます。
彼らにとって、ここは聖地になるのでしょうね。
私のめあては、自転車ではなくて鳥さんです。
家から15km以上の道程を飛ばしてくるぐらいですから、サイクリングも好きですけどね。
ここまでノンストップで走ってきました。えーと、とりあえずトイレ…(^o^;
トイレには住民がおりました。
元気なツバメさん兄弟。もっともっと~って、エンドレスおねだり。親御さんも大変ですなぁ。
その先の修景池でも、鳥たちが子育ての真っ最中です。
バンの雛ちゃん。
ちっちゃいけれどとっても元気。写真で見ると、遠近感がつかめなくてエミューみたいな巨大な鳥なんじゃないかってぐらい貫禄たっぷりですね。
ちょっと、なに写真なんか撮ってんのよ、ってバン母さん(?)に睨まれてしまいました。
ゴメンね~もうちょっとだけ勘弁して(^o^;
カルガモの雛ちゃんも元気です。
池のまわりを行ったり来たり。いまがかわいい盛りですね~。
雛たちは池畔でひとしきり遊んだ後、親鳥の号令とともに去っていきました。
5羽きょうだいだったんですね。そっちには巣があるのかな。これ以上追いかけるのは止めておきましょうね。
楽しかった~また来よう。
2か月ぶりの、武蔵野の森公園です。
ちょっとその前に、前回は立ち寄らなかった、隣接する調布飛行場の旅客ターミナルに行ってみましょう。
ちょうど新島行き、朝一番の便が出発するところでした。
ボーディングブリッジもランプバスもなく、係員さんの誘導で小さな飛行機に歩いて向かう乗客たち。
このローカルな雰囲気、好きだなぁ~。
やっぱり私も乗ってみたいな。
新島往復で2万6千円。奮発して、そのうち島でしか見られない鳥さんに会いに行ってみようかな。
さて、公園にまいりましょう。
2か月前は立入禁止だった、オリンピック自転車競技のスタート地点あたり。
すっかり片付けられていて、当時の名残は全くありません。
もうちょっと何か、記念碑っぽいものがあるのかなと思っていましたが。
まぁそんなもんですかね。
飛行場との境のフェンスで歌うモズさん。
チクチク痛そうな有刺鉄線ですが、平気なようですね。
え、えーと、この子は…。
見覚えのない鳥さん。もしかして珍鳥?と、一瞬期待してしまったのですが、バンの若鳥だそうです。
バンは雛も成鳥も黒いのに、大人になる手前の若鳥は白っぽいんですね。
ということは、こちらは親子でしょうか。
ひょっとしたら、7月に会ったあのプチ・エミューみたいな雛が成長したのかもしれませんね。
大きくなりましたね~。
カメラを向けると、え、なに?なんかする?と戸惑う様子を見せながらも逃げない、どっちつかずのアオサギさん。
淡い色なので、こちらもまだ若鳥なのでしょうね。
人間への対応も、経験から学んでいる最中、といったところでしょうか。
カルガモさんはたくさんいましたが、もう親鳥も雛もまったく見分けつかず。
大人になるのが早いですね。
なので、この二羽は親子なんだか、夫婦なんだか、赤の他人なんだか。まるでわかりませんな。
JR中央線の武蔵境駅で西武多摩川線の是政行きに乗り換え、2つめの「多磨」で降りてください。
東口に出て、ロータリー右側の道を、駅を背にしてまっすぐ5分ほど歩けば武蔵野の森公園です。
そのまま道なりに奥へと入っていけば、鳥たちが集まる修景池に到着です。
以前ご紹介した野川公園からもすぐ近くなので、ぶらぶらお散歩しながら鳥見のはしごをするのがおすすめです。野川公園の正門(南端)から武蔵野の森公園まで、歩いてほんの3分ほどです。→道順はこちら