山形・秋田県境に聳え、日本百名山の一つにも数えられる鳥海山。
日本海から始まるその裾野は、標高2,236mの頂へと一気に駆け上がっていきます。大海原と巨大な山塊が滑らかにつながる個性的な山容はまさに威風堂々。そこに神々の姿をみた古の人々から崇敬され、やがて修験道の聖地として多くの修行者を集めたのも、この力強い姿を目にすれば当然と思えます。
その鳥海山に祀られたのが、今回ご紹介する出羽国一宮、鳥海山大物忌神社です。
山頂近くにあるのが「山頂御本社」で、麓に里宮として「吹浦口宮」と「蕨岡口宮」(いずれも山形県遊佐町)がございます。
中世から近世の神仏習合期には修験道の拠り所となっていた大物忌神社ですが、当時、鳥海山の帰属を巡って、現在の里宮がある「吹浦」と「蕨岡」、さらには秋田県側の「矢島」などによる激しい主導権争いがあったそうです。その駆け引きは実に興味深いので、ご関心のある方はぜひ調べてみてください。
おすすめは「鳥海山史」(著者:姉崎岩蔵、1952年・矢島観光協会発行)です。著者は矢島出身とのことで、矢島に対して同情的である一方で、蕨岡に対してたいへん辛口なのも面白いところです。
国立国会図書館デジタルコレクションで、1983年発行の復刻版を読むことができます。「鳥海山史」で検索してみてください(読むには会員登録が必要です)。
以下、鳥海山大物忌神社へのアクセスですが、御朱印や授与品は「吹浦口宮」でいただけますので、ここでは吹浦口宮への行き方をご紹介することといたします。
[PR] |

鳥海山大物忌神社の最寄駅は、JR羽越本線の吹浦駅です。
まずは、山形県の日本海側の中心都市のひとつである酒田に入り、そこから羽越本線の普通電車で吹浦に行くのが一般的でしょうが、大阪や名古屋などから直接酒田に行く交通手段がありませんので、西日本の方などは秋田空港へ飛び、そこから南下して吹浦に向かう方が行きやすいかもしれません。
東京から酒田へは、主に次の3通りの行き方があります。
(2026年2月時点の情報です)
| 鉄道 | 航空機 | 夜行高速バス |
| 5~6時間(乗換込み) | 2~3時間(連絡バス込み) | 8~9時間 |
| 上越新幹線→新潟から特急「いなほ」または 山形新幹線→新庄から陸羽西線 | 羽田→庄内空港 1日5便(ANA) | 夕陽号(国際興業・庄内交通) キラキラ号(桜交通) |
| 各種乗り放題パスを活用して巡拝されたい方におすすめ(注1) | とにかく最短で目的地に到着されたい方におすすめ | 早朝着で、現地で時間を有効活用されたい方におすすめ(注2) |
注1:
JR東日本では、「キュンパス」や「大人の休日倶楽部パス」(55歳以上限定)など、期間限定で全線乗り放題の企画きっぷを発売することがあります。
大物忌神社(山形県)、岩木山神社(青森県)、駒形神社(岩手県)は近隣に他の一之宮がないので、普段は他の一之宮と組み合わせた巡拝がしづらいのですが、これらの乗り放題パスを使えば、新幹線や特急列車を豪快に乗り継いで、三社を一気に回ることも可能です。発売時期をお調べいただいて、それに合わせて旅行プランを立ててみてはいかがでしょうか。
注2:
東京から酒田への夜行高速バスは、2026年2月現在、「夕陽号」(国際興業・庄内交通)と「キラキラ号」(桜交通)が運行されています。
「夕陽号」を使えば、酒田駅に早朝到着後、羽越本線の普通電車に乗り換えれば朝8時半ごろには吹浦口宮に到着できます。時間を有効活用したい方にはおすすめです。「キラキラ号」は酒田到着時刻が遅い便があるのでご注意ください。
「夕陽号」「キラキラ号」いずれも↑楽天トラベルで予約できます。画像をクリックし、
として検索してください。
酒田から吹浦へは、JR羽越本線の普通電車で約20分です。
本数が少ない(1~3時間に1本程度)ですので、必ず事前に時刻を調べてからお出かけください。
→ 時刻表(「羽越本線秋田方面」を参照してください)
特急「いなほ」は吹浦に停まりません。普通電車を長く待つようでしたら、特急で遊佐駅(吹浦のお隣)まで行って、タクシーやレンタサイクルを使うプランも考えてみてください。
秋田空港へは、2026年2月現在、大阪(伊丹)、名古屋(中部)、札幌(新千歳・丘珠)、東京(羽田)からのフライトがあります。→フライト情報
秋田空港から秋田駅へは、空港連絡バスで40分ほどです。
秋田駅から吹浦駅へは、JR羽越本線の普通電車で約1時間30分です。
本数が少ない(1~3時間に1本程度)ですので、必ず事前に時刻を調べてからお出かけください。
→ 時刻表(「羽越本線酒田・鶴岡方面」を参照してください。新屋・羽後本荘どまりの電車は吹浦まで行きません)
【ご参考】
吹浦駅のお隣、特急「いなほ」も停まる遊佐駅で自転車を借りられるそうです。
遊佐駅から大物忌神社(吹浦口宮)まで片道8km弱ですから、10km/hの安全運転で50分ほど。春や秋の穏やかな晴れた日ならば、サイクリング参拝も気持ちよさそうですね。→ 道順(Googleマップ)
ただし、台数が少ないそうですのでご注意ください(2026年2月現在5台)。
吹浦駅から吹浦口宮へは、歩いて8分ほどです。
ご案内は以上です。それでは、よい旅を!
よろしければコメントもお待ちしております。