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    伊佐沼は、小江戸・川越の市街地から東北東に3kmほどのところにある沼です。
    浅瀬や干潟、葦の茂みなど、鳥たちが羽を休めるのにちょうどよい環境が揃っているので、特に冬は多くの水鳥達で賑わいます。

    Wikipediaで伊佐沼を調べてみると「自然沼としては(中略)関東地方でも印旛沼に次ぐ広さである」などと紹介されています(2022/10/24現在)。誰ですか、そんないい加減なことを書いたのは(笑)。

    実際には、伊佐沼の面積は涸沼(茨城県)のおよそ30分の1。手賀沼(千葉県)や牛久沼(茨城県)と比べても、10分の1ほどの面積しかございません。昔はもっと広かったといいますが、それは他の沼も同様ですからね。
    歩いても30分ほどで一周できる、お散歩にちょうど良い大きさの沼です。

    この伊佐沼、「野鳥の名所」として各種のガイド本やWebサイトで紹介されていますが、野鳥初心者には少々ハードルが高いです。というのも、岸辺から野鳥が集まる葦原までかなりの距離があるので、倍率の低いコンデジやスマホで撮っても豆粒ほどにしか写らないのです。

    なので、ここで鳥を撮っているのは、立派な望遠レンズを携えた中上級者の方々ばかり。そんな皆さまの中にコンデジぶら下げて割り込んでいくのも少々気恥ずかしくて、その点も初心者にとって少々ハードルですね(こっちが一方的に気にしているだけなんでしょうけど)。

    とはいえ、岸辺でのんびり待っていれば、コンデジで撮れるぐらい近くに寄ってきてくれる鳥たちもいなくはないですし、同じ荒川流域の鳥見スポットでも、私がよく行く秋ヶ瀬田んぼなどとは集まる鳥の種類も違って面白いですので、時折、思い出しては練馬の自宅から往復50kmの道程を、早朝から自転車を飛ばして鳥見に出かけております。帰ってきたときにはもうクタクタですけどね。それでもまた行きたくなる、魅力的なスポットではあります。

    それでは毎度いつもの随時更新、日付順のうろうろ日記です。よろしければ感想などいただけると嬉しいです(^o^)/

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    2021年10月23日

    初めて伊佐沼に行ったのはこの日のはずですが、保存をミスったのか、撮ったはずの写真が見つかりません(泣)
    なので、代わりに当時のツイートを貼り付けておきます。

    2022年3月5日

    半年ぶりの伊佐沼です。
    この前来たときはもっと水があったように記憶しているのですが、沼の北側はすっかり水が引いています。季節によって水位が大きく変わるようですね。

    そんな干潟に集まっていたヒドリガモさんたち。北へ帰る途中に立ち寄ったのでしょうか。
    黙々と草を食べていた100羽ぐらいの群れが、まばたきほどの遅れもなく全羽飛び立つのはなかなかの迫力です。食べることにしか関心がないように見えますが、その実、一瞬たりとも遅れることのないように、常に緊張に包まれているのでしょうね。

    水面へと逃げたヒドリガモさんたちですが、数分もすればみんな戻ってきて同じ場所で草を食べ始めます。そして数分後、またしても一斉に舞い上がり水面へ。やがてこちらに戻ってきて、また一斉に飛び立って、戻ってきて…。ひたすらその繰り返し、どこまでもエンドレス。

    100羽のうちの1羽が飛べば、他の99羽も一瞬で離陸できるように、遺伝子レベルでインプットされているのでしょうね。飛び立つきっかけはほんの些細なことなんでしょうけど、そこで遅れたりすると命にかかわるようなことが自然界には起こりうるのでしょう。

    それにしても、どうせ数分で飛んで戻るならこっちに来なきゃいいのにと思ってしまうのですが。このあたりの草、よっぽど美味しいんでしょうかね。

    穏やかな湖面に映るコサギさん。
    食べものを探すわけでもなく、孤高にただ屹立するばかり。ちょっとでも動けば波紋が同心円をつくって広がっていくはずですが、全くその気配も見られません。鴨たちのせわしなさと対照的ですね。

    岸辺には、ちょっと時代がかった木の舟が繋がれています。沖合には、浅い沼底に掉さして漕ぎゆく漁師さん?の姿も見られます。とても波静かな沼ですから、このような古い舟も現役で活躍しているのですね。
    その縁に立つアオサギさん。船頭のようでとてもお似合いです。

    ハクセキレイさんも水辺の定番ですね。
    近づけばちょっと逃げ、こちらの様子を伺い、またちょっと逃げての繰り返し。私は岸辺を歩いているだけで、あなたにちょっかい出している訳ではないんですよ。お願いですから、そこんとこわかってくださいね(笑)

    こちらはイソシギさんでしょうか。
    私がよく行く東京・埼玉の都県境の鳥見スポットでは、見かけることの少ない鳥さんです。

    近くにいるのは自分の何十倍もある大きな鷺たちばかりですが、イソシギさんは動じることなくマイペースに水際を歩き回っています。鷺たちは、近くに別の鷺が来れば直ちに追いかけっこが始まりますが、小さなイソシギさんのことは気にも留めていないようです。

    葦の茂みにいたのはカシラダカさん…でしょうか。
    この色合いの鳥さんを見分けるのって難しいですね。いまだに自信をもって言い当てられません。


    さて、沼の西側は公園になっていて、そちらからも賑やかな鳥の声が聞こえてきます。
    ちょっと行ってみましょう。

    公園の木立のあちらこちらから聞こえてくるシジュウカラさんの声。
    すばしっこくてなかなかカメラのフレームにおさまってくれません。頻繁に見かける鳥ですが、意外に撮るのが難しいんですよね。どうにか1枚、かわいいのが撮れました。

    シジュウカラさんが十羽いれば、たいていコゲラさんも一羽交じってきますね。
    鳥を撮るようになって、初めてコゲラさんを見たときは「キツツキってこのあたりにもいるんだ~」と感動したものですが、声や動きを覚えて、すっかり見つけやすい、お馴染みの鳥さんになりました。うん、今日も元気ですね。

    青空をバックにホオジロさん。
    やっぱり晴れた日の鳥見は清々しくていいですね~。

    カワラヒワさんも、青空をバックにご満悦な様子です。
    よくこの細い枝先でバランスを保てますよね。
    体重、塩大さじ1~2杯ぐらいだそうで。まさに身軽さがなせる業ですね。

    さらにモズさんも、青空をバックにすぐ近くでとまってくれたので慌ててレンズを向けましたが、残念、後ろの枝にピントが合ってしまいました。

    伊佐沼のまわりでは、モズたちの姿を頻繁に見かけます。このあたりの水辺や草地、まわりの田んぼなどには、大好きな虫たちがいっぱいいて、身を隠す場所もたくさんあるのでしょうから、子孫を残していくのに最適な環境なのでしょうね。

    2022年7月17日

    夏です。
    久々に荒川の堤防を自転車で飛ばして伊佐沼にやってまいりました。
    ふぅ~汗かいた。

    南岸から沖を眺めたら、小さな浮島?にコサギさんの姿がありました。
    ここは鳥が営巣できるように人の手で作った島でしょうかね。茂みの中には雛がいたりするのかな。人も蛇も近づけませんから子育てには最適なんでしょうね。

    東岸にいたバンさん。
    現地では気づきませんでしたが、こうして写真を見返すと、随分いかつい足ですね。

    まるいお腹からにょきっと突き出た両脚がメタリックな光沢を放ち、そこからさらに枝分かれするのが、掴んだら絶対に離さないぞって感じの四本爪。体はむしろ華奢な感じなのに、そこからいきなり豪脚?が生えているのがなんともアンバランスで不思議です。猛禽と違って、爪で大きな獲物をがしっと捕獲するようなシーンもないでしょうに。この形状は進化の過程でどのように獲得してきたのでしょうね。

    こちらはオオバンさん。オオきいバン、ってことなんでしょうけど、バンに比べてことさら大きいって感じもしませんけどね。

    バンもオオバンも埼玉県のレッドデータブック(県内で絶滅のおそれがある動植物のリスト)では「準絶滅危惧」に指定されていますが、ここでは全くそんなことを感じさせないほど、普通にそこらじゅうにいます。さすが伊佐沼。

    3月に来たときには水が引いて何もなかった北岸の干潟ですが、改めて来てみたら一面びっしりと蓮が茂っていました。
    あまりの変わりようにびっくりです。時折、蓮のじゅうたんに飛び入り、飛び出てくる小さな鳥の姿が見られたのですが、あの鳥は誰だったのでしょう。遠くてしかも神出鬼没なので、誰だかわからずじまいでした。うーん残念。

    振り返った電線の上にツバメさん。
    近くの農家さんの軒先あたりで、雛たちが待っているのかもしれませんね。
    育児に追われる日々、いい加減疲れたよ、ここらでちょっと羽を休めていこうかね。ちょっとばかり待たせたってバレやしないさ…なんて思ってたりして。ゴメンナサイ、勝手な想像でした。

    沖合には杭がたくさん並んでいて、その上にはカワウさんやダイサギさんたちがくつろいでいます。
    朝からいっぱい魚をつかまえて、いまは食後の休憩中でしょうかね。
    のんびり、ゆったり。穏やかな時間が流れていきます。

    2022年9月11日

    9月になりました。
    残暑の中にも、ほんの少しだけ秋の気配。

    きみはイソシギさん?イカルチドリさん?
    シギチのみなさんは、私がよく行く都県境周辺の鳥見スポットではあまり見慣れないので(わーい、シギチって言葉、初めて使った~)見分けはどうしても Google Lens 頼みになってしまいます。検索するとイカルチドリって出てきますが、果たして…?

    カメラを向けたら、セイタカシギさんが「やあ!」って挨拶してくれた…のかな?
    見事な「4」の字ですね。


    さて、沼の北に広がる田んぼの方にも鳥たちの姿があるようです。
    ちょっと行ってみましょう。
    こちらは、伊佐沼に流れ込む「九十川」です。

    何十羽もの鷺たちが、九十川の欄干に鈴なりになっていました。
    ダイサギさんっぽいのと、コサギさんっぽいのが混ざっていますね。
    コロニーが出来るような環境とは思えない普通の道沿いで、川の中の獲物を狙っている様子でもないようですが、いったい何事だったんでしょうか…?

    ちょっと離れたところに、モズさんがひとり。
    近くにトンボが並んでとまっていますが、狙っている感じではないですね。
    小さな体で優秀なハンターだそうですから、油断させておいてぱくっ!といくのかな?と想像しましたが、こちらの視線に気づいたようであっさり飛び去ってしまいました。邪魔してごめんね~。

    伊佐沼ではカワセミさんを見かけないなぁと思っていましたが、こちらにいましたか。
    広い水面よりも、ここみたいな適当な足掛かりがある狭い水辺の方が、カワセミさんはお好みのようです。こういうところの方が、狙いどころを絞りやすいのでしょうかね。

    伊佐沼への行き方

    伊佐沼は駅から離れているので、バスかシェアサイクル(レンタサイクル)を使います。

    バスで行く方法

    JR川越線の南古谷駅から川越市のコミュニティバス「川越シャトル」に乗れば、伊佐沼のほとりにある「伊佐沼公民館」バス停まで乗り換えなしの15分で行けますが(→リンク先の「41系統」参照)、いかんせん1日4便しかなくて不便です。

    ここでは、降りてからちょっと歩く必要がありますが、そこそこ本数のある西武バス(1時間に1~3本程度)での行き方をご紹介します。

    • JR川越線・東武東上線川越駅東口「8番のりば」→(西武バス「川越グリーンパーク」行きで約12分)→「伊佐沼冒険の森」下車
      (同じバスに西武新宿線「本川越」駅からも乗れます)
    • バスを降りて左(後ろ方向)、すぐ先の信号を右折すれば、5分ほどで伊佐沼の南岸に出ます。
      多くの鳥が集まるのは伊佐沼の北の方ですので、ここから沼を歩いて半周します。
      左回りで行くのが近い(15分ほど)ですが、右回りでも大差ありません(20分ほど)。景色を楽しみながら、湖岸(沼岸?)の道をのんびり歩いてまいりましょう。
    シェアサイクルで行く方法

    街なかに見どころの多い川越には、観光にも便利なシェアサイクルのステーションがあちこちに設置されています。Hello Cyclingの会員登録が必要ですが、一回登録してしまえば川越以外のエリアでも手軽に使えますので、試してみてはいかがでしょうか。

    【リンク】川越市自転車シェアリング

    自転車が借りられる場所は、川越駅、本川越駅、川越市駅、南古谷駅、新河岸駅、市内どの駅の近くにもあります。リンク先の「ステーション検索」の地図で探してみてください。
    例えば川越駅のすぐ北の踏切脇には「川越駅A」というステーションがあります。ここで借りれば伊佐沼まで約5km、20分ほどです。

    伊佐沼についたら、自転車を借りっぱなしにせず、「川越市農業ふれあいセンター」または「伊佐沼公園」のステーションに返却し、帰るときに再度借りるのがおすすめです。借りっぱなしにしていると、駐輪中の時間も料金がかかってしまいますからね。

    【参考】「川越駅A」から「川越市農業ふれあいセンター」までの経路

    最後までお読みいただきありがとうございました。
    それでは、お気をつけてお出かけくださいませ。

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